重度脊髄損傷

脊髄は、脳から脊椎の中を通って延び、脳から送られるさまざまな指令はこの脊髄を通って全身に枝分かれした神経に送られていく。脊髄を損傷してしまうと二度と元には戻らず、損傷部分から下部には完全な麻痺が残る。脊髄の損傷部分が上になるほど麻痺の範囲は広くなると言われており、こうした状態を重度脊髄損傷と呼んでいる。脊髄損傷の約4割程度が交通事故での受傷である。

脊髄損傷は、損傷の程度により完全麻痺と不完全麻痺に分かれる。上肢または下肢が完全強直するか完全に弛緩する場合を完全麻痺、上肢または下肢を運動させることができても可動範囲等に問題がある場合は不完全麻痺に分けられる。

意識がはっきりしていても手足を動かすことができなくなるため、車椅子や寝たきりの生活を強いられる。また、体温調節障害や肺機能障害、床ずれなど、全身に様々な悪影響が発生する可能性があり、介護が必要である。介護雑費等や住宅改造費も後遺障害のなかでは高額になるケースが多い。

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