過失相殺
交通事故で当事者双方に過失のあるケースでは、賠償額は過失割合に応じて相殺される。これは公平の見地から加害者の損害賠償責任は、被害者の過失にあたる割合の賠償責任は免れてしかるべきとの考え方による。
交通事故の過失相殺は交通事故の賠償問題において、収入の証明と同様に重要な要素である。
過失相殺は、以下のような要素を判断の基準とする。
- 事故当事者の状態(歩行や車両搭乗の別など)
- 道路交通法に定められた優先関係の有無について
- 事故発生の予想や結果の回避の可能性
- 事故発生時の環境(交通量、道路環境や昼夜の別など)
判例を元にして過失割合は一定の認定基準が設けられている。認定の基準として、判例タイムズ社が出版している「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」や、日弁連交通事故相談センターの過失割合認定基準表が用いられることが多い。また、過失割合を決めるために実況見分調書が必要になることがあるので、交通事故が発生した場合は必ず警察に通報する。
自賠責保険は被害者救済を目的としているため、被害者に重大な過失が無ければ相殺はされない。
この場合の重大な過失とは7割以上の過失のことであり、7割未満の過失の場合は自賠責において過失相殺はされずに全額請求できる。